社会福祉法人 名古屋厚生会

第一保育園の一日

令和4年度 春

0歳児
ひよこ

1歳児
あか

2歳児
もも

3歳児
あお

4歳児

5歳児
みどり

0歳児「ひよこ組」編

 その子の発達に合わせた遊びができるように保育室に遊具をセッティングしてたっぷりと体を動かして遊んでいます。ある日、トンネルを発見した子が不思議そうな表情で近づき、様子を伺っていましたが、トンネルの先に保育者の顔を見つけ笑顔で前進。トンネルを通って一目散に保育者の元へ来てくれました。何度か繰り返していると途中で座って周りをキョロキョロ見まわし、トンネルの中の世界を楽しむ余裕も出てきました。そこへお友達もやってきてトンネルの中から「ば~!」と、顔を出して笑い合っていました。お友達が遊んでいるのを見て「なんだろう」「楽しそう」「やってみようかな」と、新しい遊びを発見しています。好きな所へハイハイで移動し、全身を使ってマットのお山を登ってみたり、小さな足に力をいれたりと、いろいろな所でつかまり立ちをしている姿もとても可愛らしいです。日に日に出来ることが増えて体を動かすことが更に楽しくなってきています。 

 初めての保育園生活、不安やさみしさから泣けてしまっていたお友達も笑顔を見せてくれるようになりました。保育者が食事の準備を始めると、「ごはんの時間だ、食べた~い。」とアピールしてくれます。子どもたちの「食べたい」という意欲を大切にしながら、一人一人の成長や発達段階にあわせて、保護者の方や調理スタッフと相談しながら、離乳食、授乳をすすめています。「おいしいね!」「モグモグしようね!」と声をかけるとニッコリ笑ってくれたり、「次はこれ食べたい!」とお皿を指さして教えてくれるようになりました。食べることが大好き!食事の時間楽しい!となれるように関わりを大切にしていきたいと思います。

1歳児「あか組」編

 誰かが絵本を見始めると「なにみてるの~」といった様子で同じ絵本を一緒にのぞき込んだり、同じ場所でブロックをしたり、ロッカーにもぐってみたり、だんだんと周りにいる友達がしていることや色々な遊びに興味をもち始めた子どもたちです。友だちと一緒は楽しいけれど、時には「僕のー、私のー」とばかり、おもちゃや絵本の引っ張り合いになることも… その都度保育士がお互いの気持ちを言葉にして伝えながら、“やっぱり友達と一緒が楽しい!”と思えるような仲立ちをしています。

 プラカーやボール、フラフープなど小園庭に遊具を出すと… それぞれ好きなおもちゃをめざして走り出す子どもたちです。フラフープはどうやって遊ぶのかな?「くぐってみようか?」と保育士が声をかけると電車ごっこの始まりです。「いれて!」と友達がフラフープにに入ると1歳児なりに後ろを気にしながら、慎重に歩き、その姿はとても可愛らしいです。新しい環境に少しずつ慣れ、一緒に過ごす友達の存在に気付き始め、同じ玩具で遊びたい、隣に座りたいなど関わりがたくさん見られるようになりました。一人一人がじっくり遊べる環境でのびのびと好きな遊びを満足いくまで楽しんでいます。

2歳児「もも組」編

 プランターの色とりどりの花を見つめ、「おはなきれいだね」「わたし、ピンクのおはながいいな」などと可愛らしい会話が飛び交っています。中にはプランターを覗き込む子も…「むしさんいるかな?」と一生懸命虫を探しです。見つけると、「あ!いたいた!」「せんせいみてー」と大興奮!!「これ、なんのむし?」「なんでまるくなっちゃうの?」と興味津々です。その虫はダンゴムシと知った次の日からは、園庭に出るとダンゴムシ探しに夢中です、「せんせい、だんごむしさがそう」と誘ってくれたり「みてーこんなにたくさんみつけたよ」と自慢気に見せてくれます。お友達と一緒に探したダンゴムシは特別です。砂場遊び用のカップに入れてずーっと大事そうに持ち歩いています。お部屋に帰る際には、「バイバイ」「また明日ね」と元の場所に返してあげるのも日課になりました。これからの季節、次はどんな生き物に会えるか楽しみにです。 

 もも組では今、バケツ型遊具が大人気です。4月当初は、保育士の手を借りてゆっくりゆっくり進もうとする子が多くいました。最初は数名で遊んでいましたが、次第にたくさんの子が集まるようになったので、他の用具と組み合わせサーキットごっこができるようにしてみました。今では、バケツ型遊具の上を誰の手も借りず渡り、跳び箱を山に見立てて登り、「せんせいみててね」と跳び箱の上からジャンプです。「一人でできた!」が達成感と自信に繋がっています。遊んだ後には、バケツ型遊具を重ねてお片付け。たくさん経験を重ねて、「できる」が増えていく喜びを子ども達と共感しています。 

 保育室でのお気に入りの遊びを紹介します。まずは、お友達とキッチンでお料理です。トントントントン…包丁で何かを切る音が聞こえてきます。「なにつくろうかな?」「お野菜もきらなきゃ!」お皿を洗って拭いて、テーブルの上にご馳走を並べて「カンパーイ!!」パーティーの始まりです。「せんせいどうぞ」と保育士にもご馳走を振舞ってくれる素敵なももさんです。ニューブロックも大人気。友達と道路を作ります。「もっとながくする?」「ここにつなげよう」と自然と子ども同士の会話も増え道路はどんどん長くなります。繋げたり重ねたりから立体的な物も作ることができるようになってきました。 
 端午の節句の頃、新聞紙で兜を作っていると「なにつくってるの?」と自然と集まってくる子どもたち。そこで、兜にシールでデコレーションしました。思い思いの場所に好きなシールを好きなだけ貼って、オリジナル兜の完成です!「できた」「みてみて、かわいい?」とできたばかりの兜を被って見せてくれました。 イメージが豊かに遊べる保育環境を工夫し、友達と一緒に遊びを展開する面白さを味わえるようサポートしています。

3歳児「あお組」編

 シャボン玉を飛ばすと、「きれいだね」と見上げ、「まてー」と嬉しそうに追いかけていましたが、次第に「わたしもやりたい!」とシャボン玉作りに挑戦するようになりました。最初は力強く吹くので、玉にならず、なってもすぐに消えてしまいます。何度も遊ぶことで、息を拭く加減がわかってきて、シャボン玉が空高く飛んだ時の表情は感動そのものです。諦めずに挑戦していたあおさんたちは、皆シャボン玉名人となりました。大きなシャボン玉やたくさんのシャボン玉、飛ばしたい形のシャボン玉を作ることができ、ごきげんな子ども達です。 

 昨年度のきさんが育てたひまわりの種を大切にとってあったので、子どもたちに見せると「なにこれ?」と興味津々で見たり触ったりしていました。絵本を通してひまわりだと知った子どもたちは「そだててみたい!」と声があがるようになりました。そこでプランターや土を用意、種を入れ、優しく土をかぶせ、丁寧に水やりをしました。その後も毎日水やりをし、プランターの観察をしている様子から子どもたちがいつ芽が出るかとワクワクしていることが伝わってきます。愛情いっぱいに育てているので、きっと夏には大きなひまわりになることでしょう。

4歳児「き組」編

 き組になり楽しみにしていた夏野菜の栽培活動がスタート!サークルタイムで「どんなお野菜を育ててみたい?」と子ども達に聞いたところ「きゅうり、ピーマン、なす、とうもろこし、すいか、さつまいも」たくさんの名前が出てきました。早速、野菜の苗を用意すると葉っぱの違いに気付き、「さつまいもは、はーとのかたちだね!」「すいかのはっぱは、クリスマスツリーみたいね」と不思議そうに眺めていました。「はやくうえてあげたい!」とワクワクしつつ、土を触ってみると「ふかふかできもちいー」「やわらかーい」と砂場の砂との感触の違いを感じていました。翌日から、毎日の水やりが日課となり、目をキラキラ輝かせてお世話している子ども達です。野菜の栽培活動を通して身近な野菜に興味、関心を持ち、食べることへの期待を高め、自然の恵みに感謝する心を育めたらと思います。 

 園庭に出ると子どもたちは虫かごを持って虫探しに夢中です。まずは、ダンゴムシとアリ。動きをよく観察し、優しくつかまえて大切に抱えて保育室に持ち帰ります。観察することも好きですがお世話をするのも大好きな子ども達。図鑑を持ってきてみんなで調べると「ダンゴムシおちばたべるんだって」と子ども達が次々と持ち寄った落ち葉でいっぱいになりました。また“ダンゴムシの家を作りたい”との意見が出て、保育士が牛乳パックを切って家の土台を用意すると、そこから切れ端の画用紙とテープ、段ボールも使って大きな家ができあがりました。ストローと画用紙でカーテンを作ったり、トンネルを作ったり遊び心いっぱいです。
 その後ダンゴムシを入れてみると…「あれ、どこいったんだろう?」と大きな家で迷子になってしまい、大慌てで探す愉快な子ども達でした。ダンゴムシのお家づくりはペットボトルで改良され、より観察しやすくなりました。気持ちの良い空の下で大好きな生き物など自然に触れて毎日元気に遊んでいます。

5歳児「みどり組」編

 きぐみの時から夏野菜や菜の花、チューリップとたくさん育ててきたので、自分たちで育てる喜びを知っている子ども達です。みどりぐみではお米を作ることも知っていて「おこめできたらたべれるの?」「おにぎりにできる?」「やった~おにぎりだいすき!」「おこめ、つくりたい」と期待いっぱいでした。園庭での作業は、冬越えしたバケツの土を出し、ほぐして去年の根株を取り除き、新しい土を混ぜ、再びバケツに戻します。冬越えした土は堅く、力がいる作業なので汗びっしょりになりながら何日も分けて行いました。並行して保育室では、種もみの芽だし作業を行います。水に浸し、毎日忘れず水を取り替え、芽が出ているのを発見した時は、歓声があがっていました。適度に伸びたところで小さなポットに植えます。かぶせた土から種が顔を出さないように、水やりが丁寧で感心しました。この先、子どもたちにとってどんな発見が待っているか、ドキドキワクワクのお米作り始まりました。 

 虫が大好きな子ども達。木の枝をかき分けたり、花びらの裏、茎、土の中、プランターの下、空を見上げて、ちょうちょやテントウムシを探しています。虫の種類によって、どんなところで住んでいるのか、どんな成長をするのか「赤ちゃんの時には白いね。大きくなると黒くて強そうだね。」とみんなで話をしながら、互いの知識を深めています。園庭だけでなく、お部屋にも持ち帰り、図鑑で同じ虫いるかな?と探してみたり、ダンゴ虫が遊べる迷路やすべり台を作ってあげたりしながら虫が子どもたちの生活の一部になっています。珍しい虫を見つけると大興奮で、虫を囲んで「なにこれー!?」「どこにいた?」更に虫探しに無我夢中です。そして、捕まえた虫が弱ってくると「にがしてあげるよう」と見つけた場所へそっと返してくれるようにもなりました。