社会福祉法人 名古屋厚生会

第二保育園の一日

令和3年度 夏

0歳児
ひよこ

1歳児
あか

2歳児
もも

3歳児
あお

4歳児

5歳児
みどり

0歳児「ひよこ組」編

 保育園では、毎日いろんな遊びを準備して子どもたちと一緒に楽しんでいます。氷遊び、風船遊び、色水遊びなど、0歳児にとっては“初めて”のことも多く、その度に驚きや喜びの表情を見せてくれます。様々なものを見て、様々なものに触れて、たくさんの不思議を経験する機会をつくり、五感からの刺激を受けることで育まれていく感性を大切にしてあげたいと思っています。 

 夏の遊びの一つとして、ひよこ組ではテラスで一人ずつ洗面器に温水を入れ、おもちゃを浮かべて温水遊びを楽しみます。最初は恐る恐る手を入れていた子どもたちでしたが、徐々にダイナミックになり、最後は“洗面器ひっくり返し大会”に。水の感触を楽しみ、心地よさを味わい、汗を流してさっぱり機嫌よく過ごします。

 夏はセミやカブトムシなど、いろいろな虫を見ることができる季節。ひよこ組ではあおむしを飼育ケースに入れて毎日みんなで見ていました。そのあおむしがさなぎになり、ある日ちょうちょに変わっているのを発見!そっと触れてみたり、ひらひらと飛ぶ様子を眺めて喜んでいました。虫だけではなく、保育園にはカメや金魚もいます。今はまだ難しくても、生き物に触れていくことで徐々に接し方を知り、命の尊さを感じる心が育っていくことを願っています。

1歳児「あか組」編

 暑い日はテラスで温水遊びをしました。はじめは恐る恐るタライの温水に触れていた子どもたちも、少しずつ楽しさを味わい、慣れていきました。水風船をタライいっぱいに用意すると「わぁ~!」と驚きの声。“プニュプニュ”する水風船が割れる面白さを知り、大盛り上がりでした。また、氷あそび、色水あそび、寒天あそびなども楽しみました。氷あそびでは、プリンカップにままごとのおもちゃを入れ一緒に凍らせるとびっくりした顔で集まってきて、手にもってひんやりとした感触を味わう姿も見られました。色水あそびでは、ペットボトルのキャップの裏に絵の具を付け「おいしいジュースになあ~れ」とシェイクすると、いちごミルクやりんごジュースが出来上がり、色が変化する様子を目をまんまるにして見ていました。夏ならではの遊びを色々楽しみました。 

 ソフトマットを使って室内でも体を動かす遊びを楽しんでいます。慎重に階段を登り、高い所では少し怖がる様子も見られましたが、回数を重ねていくうちに、楽しめるようになってきました。腕の力を使ってよじのぼったり、高い所からジャンプしたり、坂道を体を使って転がったりとダイナミックに楽しんでいます。
 ジャングルジムでは手と足を上手に使って登り、高い所までいくと「やっほ~」と得意気な顔も見られます。遊びの環境を工夫することで子どもの期待も高まり、楽しみながら運動能力を身につけていきます。

 指先を使った色々な遊びに興味津々の子どもたちです。新聞遊びでは、上手に破ったり丸めたりできるようになってきました。洗濯バサミやひも通しでは、ひもに1つ1つ付けたり通したりと夢中になっている姿が見られます。大きな紙いっぱいにお絵描きをしたり、シール貼りでは台紙からシールをはがそうと頑張っています。
 指先をたくさん使う事で神経が発達していき、細かな動きができるようになっていきます。また、脳が刺激されるので思考力や言語力、記憶力、運動能力が育ちます。これからも子どもたちの興味関心をくみ取りながら、発達を促すための遊びを工夫していきたいと思います。

2歳児「もも組」編

 「きょうみずであそぶ?」と水遊びを楽しみにしている子どもたち。初めは水を触り、「きもちいい!」「つめたーい!」と言っていましたが、遊んでいくうちにスコップやカップを使って水鉄砲に水を入れ、保育士を追いかけたり、ジョウロでプランターのお花に水をあげたりと楽しみ方が変わってきました。あたり一面泥んこになると、「ぷにぷにしてる~」と泥の感触を楽しみながら丸めたり平らにしたりして、思い思いのものを表現していました。布団の圧縮袋に風船と水を入れるとウォーターベットの完成!恐る恐る触ったり上に乗ったりしていると…「パンッ!」と割れてびっくり!他にも水路を作って水の流れを観察したり、泡でジュースやアイスクリームを作ってお店屋さんごっこをしたりと、夏ならではの遊びを満喫しました。

 徐々に腕の力や足腰の筋肉がついてきて、ぶら下がる、登る、蹴る、跳ぶ、走る、くぐるなどの基本的な運動機能が安定してきました。自分の思うように身体も動かせるようになり、行動範囲が更に広がったことで、「何でも挑戦してみたい!」という気持ちが膨らむ時期です。  ホールで運動遊びをする時は、バランスくねくね道やトランポリン、トンネル、鉄棒などそれぞれの発達や興味に合わせた遊具を用意しています。バランスくねくね道の細い幅を渡るのにドキドキして、保育士の手を借りながら恐る恐る歩いていた子も、慣れてくると「せんせいみててね」と得意気な表情でひとりで渡ることができるようになっていました。「すごいね!」「たのしいね」と気持ちに寄り添いながら、安心して挑戦できる雰囲気作りをしています。また、遊びを通じて友達とのコミュニケーションが盛んになってきました。「いっしょにやろう」と声を掛けたり、顔を見合わせて笑い合ったりしています。

 ある日子どもがセミの抜け殻を持ってきました。他の子が「なにそれ?」「うごくの?」と見たりさわったりして興味津々。セミの抜け殻のことを伝えると「ほしい!」「みつけたい!」と言うので保育園のお隣にある“なかよし公園”へ行きました。セミの声が響き渡り、一本の木を眺めるとセミが3匹、4匹、5匹…捕まえて子どもたちに見せると「すごい!バタバタしてる。こわいよー」と様々な声が聞こえました。確かによく見ると少し気持ちの悪い見た目ですが、少しずつ触れることができ「かわいい!!」とすっかり友達になりました。服につけるとブローチみたい。それから毎日のようにセミ取りに出掛け、お部屋でもカブトムシ、クワガタ、ザリガニ、カタツムリとたくさんの虫達と過ごし、「おおきくなったかな?」「さわってあそぼう」と興味を持って触れています。図鑑を持ってきて「おなじだね」と虫博士のようです。たくさんの生き物を通して興味が深まったり、生き物の生態、命の尊さなど感じていけるように声掛けしながら楽しんでいます。

3歳児「あお組」編

 き組が育てている夏野菜に興味を示し、あお組では夏野菜のスタンプをやってみることにしました。 
 保育士が野菜を切ると、「しろいのはタネかな?」「すごーい!!オクラはほしのかたちしてるね!」と不思議そうに観察していたり匂いを嗅いだり、じっくりと野菜の形を見ている子もいました。いろいろな色の絵の具を用意し、画用紙がスタンプで埋まるほど夢中になっていた子どもたち。野菜スタンプの遊びを通して苦手な野菜にも関心を持ってくれたら嬉しく思います。 

 「ミーン、ミーン、ミーン」と朝から鳴くセミをつかまえに、なかよし公園に出かけました。「あっちのきにとまってる」「ほんとだ」とやりとりをしながら子どもの目線は保育士の持つ網に集中しています。セミが網にかかると「やったー」と大歓声が上がりました。この日は4匹のセミをつかまえることができました。子どもたちは部屋に戻ると図鑑を広げ、セミの名前や他のセミとの違いを調べていました。また、別の日には草の中からピョンピョン跳ぶショウリョウバッタを見つけました。大きなバッタの背中には小さいバッタが乗っていて、「ちいさくて、かわいいね~」「あかちゃんだねー」とやさしい目で見ていました。様々な虫との触れ合いから得た発見や気付きを大切にし、子どもの思いに共感しています。 

 友達や保育士と一緒に水てっぽうで水をかけ合い楽しむ子どもたち。「あ~あ、ふくぬれちゃった~。でもきもちい~」と水に触れるだけで気持ちよさそうです。ビニールの袋に描いたおばけの的に向けて「え~い!あっちいけ~!」と発射している子もいます。 
 泥あそびでは、ペットボトルやじょうろで汲んだ水を砂にかけると水が染み込み、「あっ!みずがなくなるー」と不思議そうに見ていました。さらに水を入れると水たまりになり、保育士が道を作ると、水が流れていく様子に「わ~おもしろーい、もっとほってみようか!」と興味津々。水、砂、泥等の感触に触れながら、子どもたちの好奇心を広げていけるようにしています。

4歳児「き組」編

 苗を植えてから毎日世話をし「まだできないかな?」「大きくなってきたね」と待ち望んでいました。自分達で大切に育てた野菜を収穫でき、友だち同士喜びを共有しました。ナスとピーマンは大豊作!取れた野菜は調理してもらい何度も食べることができ「おいしい!」「みんなで頑張って育てたからだ」と野菜が苦手な子も食べていました。自分達で野菜を育てた経験を通して食に関心をもったり、植物に対する親しみ・命を大切にする気持ちが養われたように思います。 

 暑い夏は色氷を使って絵を描いたり、色水あそびをしたり、水や泥に触れ感触や気持ち良さを味わいました。なかでも色水あそびは室内外で大人気の遊びになりました。色水を混ぜ合わせ「ぶどうジュースだよ」「これはブルーベリーになった」と色水の分量によって微妙に変化するおもしろさに夢中になって楽しみました。何度も遊んでいるうちにジュース屋さんごっこになり遊びに必要なものを友達と相談し、メニュー表やお金をつくったりして遊びが広がっていきました。

 いろいろな運動遊具を使って、ジャンプしたり高低差のある平均台を歩いてバランスをとったり身体を動かす楽しさを味わっています。鉄棒で足ぬきまわり、尻抜きまわりも出来るようになってきて「先生、見ててね」と得意気にやってみせてくれます。「すご~い。出来るようになったね」と褒められると、次は前まわりも!とやってみようとする意欲が高まっていきます。“ぶたのまるやき”も大好きで自然に腕の力やお腹の力が入る遊びになっています。今後も友達と一緒に楽しみながら運動能力を高めていきたいと思います。

5歳児「みどり組」編

 春に芽出しから始めたお米作り。バケツの稲が大きくなってきたことに気付いたり生えてきた草を抜いてお世話をしたりして大切に育てています。一時期、枯れかけたこともありましたが、本で調べてみたりみんなで話し合ったりし『えいようが、たりないのかも』という結論から追肥をすると、元気を取り戻しました。子ども達の気づきや大切にしようとする気持ちが伝わり、ぐんぐんと生長しています。 
 夏になると、春とは違った昆虫や植物に興味津々なようす。自分達で虫かごに入れてみて、「このまえつかまえたてんとうむしと、いろがちがうね」「ほしのかずもちがうんじゃない?」と様々な発見をしました。自然に触れることを通して、不思議に思った事や考えたことを言葉で表現したり友達と伝え合ったりして、関心を高めています。 

 みどり組だけの特別な『お楽しみ会』。どんなことがしたいかを、みんなで話し合って決めていきました。お化け屋敷と迷路を組み合わせた「おばけめいろ」を作ろうという意見が出て、おばけ作りがスタート!絵の具や牛乳パック、画用紙などいろいろな素材を活かしながら「このペンでかいてもきえちゃうから、えのぐにしてみよう」「おばけのかお、かわいくしよう」と、試行錯誤しながらたくさんのおばけを作っていきました。 
 当日は、ボーリングや輪投げ、おばけめいろなどのゲームを楽しんだり、ドッジボールで先生と対決をしたりしました。力を合わせることの大切さを感じながら、友達との仲を深めていきました。 

 暑くなってきて子ども達とどんな遊びがしたいかの話し合い。「こおりがあればすずしくなるかもね!」「それいいね!」となり、氷遊びをしました。なるべく溶けないように大切に持つ子や撫でてみる子など、それぞれの楽しみ方をしていました。「こおりで“にじみえ”ってできるのかな」「やってみよう!」と遊びが発展。溶けていく氷に色がつき、にじんでいく様子に目が釘付けになりました。水に色がついたら、今度は色水遊び。「ぼくのあおいろと、○○ちゃんのみどりいろで、あおみどりになったよ!きれいでしょ」と作った色水を友達と分けたり混ぜたりして、楽しみました。他にも「ながしそうめんみたいに、いろみずながしたいね」「こおりもながしたいね」と、一つの遊びからどんどんと広げていく子ども達の想像力に脱帽です。